GOTCHA! WELLNESS KOMATSUは古い2階建ての住宅をカフェとしてリノベーションし、撚糸工場だった鉄骨造平屋建てをウェルネスとして建替え、その間をデッキテラス、渡り廊下でつなぎ、町にとって新たなコミュニティのスペースを提供している。

敷地は集落の中心にあった廃寺を温泉併設のレストランやマッサージなどの一般利用サービスと合わせて、高齢者デイ、生活介護、就労支援といった福祉サービスが行われる場所として再生した「西圓寺」の道路向かいにあり、西圓寺が担っていた活動を進化させるものである。

木造の改修は既存調査後の耐震診断に基いて補強計画を行い、確認申請を経て工事を行っている。木造の架構を露わにした後、本体をジャッキアップし、新たな基礎を作り、構造補強を行った。
また石版の屋根、外壁だった既存の藏は内側に新たに柱、梁を加え、架構の補強を行い、そのフレームがインテリアとしても活用されている。

タタミの空間で頂く珈琲は、フルオートの自家焙煎機から焙煎された香ばしい珈琲豆の香りやプクプクと泡立つカラフルなサイフォンの灯り、優しい手触りの北欧デザインの家具や彩り鮮やかなカップと調和して、贅沢でゆったりとした時間が流れている。

一方、鉄骨造のウェルネスは天井を張らずに架構や屋根面を晒すことで、撚糸工場の雰囲気を残し、通りやデッキテラスに対して背の高い木製建具によって開かれることで、近隣に対して開放的な印象を与え、街全体の賑わいを担っている。